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2024.07.29

業界コラム

物流の2024年問題、企業が取り組むべき課題とその対策とは?

もうあと1年数ヶ月・・・2024年問題とは?

2024年問題とは、「働き方改革関連法」の「自動車運転業務」に関する時間外労働が年間960時間以内に規制されることで生じるいろいろな問題を指します。

「自動車運転業務」には物流業の事務職や作業者も含まれます。2024年4月1日からの施行で、違反した場合は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金となります。また、60時間/月を超える残業代は、中小企業においてこれまでは25%増でしたが、50%増になります。

960時間・・・少しピンと来ませんね。では年間ではなく月間で見てみましょう。
960時間÷12ヶ月=80時間/月となります。法定労働時間は40時間/週と決まっていますから、1ヶ月を仮に平均4.3週とすれば、ひと月の法定労働時間は40×4.3=172時間です。

毎日、休憩なしのぶっ通しで働くことは無理ですから、1日の拘束時間の中に休憩時間1時間をとるとすれば、ひと月の休憩時間は1時間×22日(ひと月の平均出勤日)=22時間。
よってひと月の拘束時間は最大80+172+22=274(時間)になります。

さて、1日の平均拘束時間は・・・

274時間÷22日=12.46時間/日となります。

休憩時間も含めて、平均1日12.46時間以上お仕事されていませんか?繰り返しになりますが、この数字は「これ以上働いたら罰則」となる拘束時間です。また、ひと月22日以上出勤されていると1日の拘束時間はもっと短くなります。

「2024年問題」は物流・輸送業にとってインパクト大

平均でお話ししましたが、あくまで年間で960時間を超えなければ違反とはなりません。
「じゃあ、ウチは忙しいときとそうでない時の差が激しいから大丈夫かな。」とお考えかもしれませんが、厚生労働省が令和3年度の業容をまとめた実態調査では、長距離運行トラックの25.2%が超過、ルート配送や中型・小型トラックを含めたトラック業全体で見ても21.7%が年間の拘束時間で超過=このままでは違反です。

日本中でこれだけの割合の運送業者に影響があるとすれば、各業者が違反回避のために仕事量を絞ったり、働く人の奪い合いになった場合の波及効果はかなり大きくなると予想されます。「人がいっぱいいて、みんなで分担すれば大丈夫!」なのですが、もともと今でも人材不足の背景があります。その人材、アテはありますか?
だんだん書くのも怖くなってきましたが、どのような影響があるか以下に予想してみます。

●超過労働を避けるため事業者が仕事を絞り、事業所全体の売上が低下する
●労働時間の規制で、到達できない輸送距離が発生する
●一定以上の仕事が受注できなくなるため、企業間取引自体に影響が及ぶ
●労働者は一定以上の残業代が見込めなくなり、月額給与が低下する
●残業代を見越して働いていた労働者が収入不足を理由に離職し、人材不足が加速
●事業を維持するために運賃が上昇、荷主の負担が増加、最終的には商品価格が上昇

・・・かなり重い問題ばかりです。現在、ECサイトであふれている「送料無料」も、いよいよ見かけなくなるかもしれません。本来、無料なはずはないのですが。

「2024年問題」の対策はどうすればいい?

こんなときこそシンプルに考えてみましょう。背景にある原因を集約すれば、以下の2点です。

・年960時間以上は残業できない
・人数がいれば多くの問題は解決するが、人はなかなか増えない

ここから言えることは、「限られた人員で時間内に仕事を終える」ということです。
そう、つまり「簡便化、自動化、効率化」を推進することが問題解決につながります。

もりや産業にはそのようなアイテムやノウハウが集積しています。キーワードは『時短と保管』。いつ増えるかわからない人材募集に不安を抱えながら時を過ごすより、よっぽど具体的で健全です。それでは、もりや産業の「2024年問題」解決コンセプトを紹介しましょう。

IT・自動化機器の活用

荷待ち時間はドライバーの拘束時間が長くなる大きな原因です。発荷主の遅延、先着順荷積み・荷下ろしのための早期順番並びなどは、ちょうどの時間に到着し、スグ積み込むことができれば短縮・出荷効率化が飛躍的に向上します。

また、共同配送を推し進め、1台のトラックにより多くの荷物を載せられるように積載効率上げることもたいへん効果的です。

このような仕組みを構築するにはITの力が必要です。システムの構築までには時間がかかりますが、稼働すれば大幅な効率化が期待できます。

効率化・簡便化アイテムの活用

パレットや輸送用機器を活用することで荷物のバラ積み、バラ降ろし負担と作業時間は大幅に軽減できます。パレタイジングは現場作業改善の大きなポイントです。

輸送方法の見直し

長距離すべてをトラック輸送するのではなく、一部に鉄道・船舶を取り入れて輸送する方法をモーダルシフトと呼びます。
コンテナ輸送の導入なども視野に入りますが、コンテナへの積み込みを「バンニング」、取り出しを「デバンニング」と呼び、この作業軽減とゴミ削減にももりや産業はノウハウがあります。

どの解決方法も1回のコラムになりそうなほどのボリュームです。そちらは次回以降じっくりと解説するとして、今回はまず、導入すればスグにみなさまのお役に立ちそうな機器・アイテムをピックアップしてご紹介します。

商品紹介

段ボール箱製造機 FitSizeシリーズ

製品にピッタリの箱がオンデマンドでできるとすれば、トラックの積載効率が上がり、ドライバー不足の問題解消につながります。本機はオンデマンドで、いくつものプリセットされたダンボール箱をすぐに製造できますから、既成ダンボール箱の在庫管理、入荷作業の手間が不要で、さらに緩衝材を詰める手間も削減できるため業務効率化に大きく役立ちます。

使用ダンボールの厚さ:2~7mm
ダンボールシート幅:400~2,500mm(FitSize1600は1,600mm)
 生産速度:4~9箱/分(箱タイプとサイズによって異なります)

段ボール箱積み付けロボット ロボットパレタイザー

パレット上に製品箱を積み付けていくX・Y・Z軸可動の直交ロボットです。多関節ロボットと比較して安価で、積み付け作業用としては必要十分な機能です。パレット面積+ロボット駆動域だけの省スペースタイプで、基礎工事も不要、導入が容易です。パレットを使用することはバラ積み・バラ下ろしの回避につながり、ひいてはドライバーの負担を軽減します。

天井の低い現場に設置できる全高2,000mm
導入しやすい省スペース設計、キャスター装備で楽々移動!
オール電動のエアーレス仕様でコンプレッサ設備が不要。
セーフティライトカーテン標準装備で「安全」・「安心」

コンテナ結束Mシリーズ

モーダルシフト(一部に鉄道・船舶輸送を取り入れた輸送へのシフト)の詳細な解説は別の回に譲るとして、もりや産業では船舶用コンテナの荷崩れ防止対策に欠かせない、荷物固定用ストラップベルト、バックル、テンショナー、リーファーコンテナ専用固定具などの専用資材を取り揃えています。このようなアイテムを取り揃え、長距離輸送の一部に鉄道や船舶を使用すれば、トラックドライバーの負担を大幅に削減できます。場所にもよりますが、トラックで全工程を運ぶのと変わらない時間での輸送も可能なモーダルシフトは、長距離ドライバーの根本的な負担軽減につながります。

まとめ