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2024.03.05
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UNダンボール箱、UNカートン、またはUN容器って聞いたことありますか?この容器は危険物を国際輸送するときに使用する容器です。危険物は定められた容器を使い、ルールに従った表示と手続きを行わなければ、海外に輸送することはできません。
ちなみに、この危険物梱包箱≒UN容器は国際輸送(ほぼ海外輸出)をするときに使う物で、国内向けの輸送は消防法に準拠した、また別の輸送方法になります。(「危」「毒」「高圧ガス」表示などのアレですが、今回の記事では省きます。)それでは、危険物梱包箱であるUNダンボール箱について解説しましょう。
そもそも、何を国際輸送するときに危険物梱包箱を使わなくてはいけないのでしょうか。
国連では、安全に危険物の輸送ができるように「危険物の輸送に関する国連勧告」で、危険物を9つに分類し、この分類に一つ以上あてはまるものを国際輸送上の「危険物」と定めています。以下がその分類になります。
だいたい、何が「危険物」に該当するのかがわかったと思います。さて、危険物を国際輸送するときには、国連規格に沿った梱包容器を使う必要があります。梱包容器には「ドラム缶」「ジェリカン(直方体型の金属または樹脂缶)」「木箱」「ダンボール箱」「バッグ(プラスチック製または織布類」などがありますが、今回は、その中で最も需要の多いダンボール箱について紹介しましょう。
※分類区分6の一部に対して、この梱包箱は使用できませんので、ご注意ください。
危険物の国際輸送には国連規格で定められた試験に合格したものしか使用できません。危険物用ダンボール箱は国連コードが4Gであるため「4Gカートン」とも呼ばれます。外装は耐水性で、定型の危険物ラベルや規定マークを貼り付けて送らなければならない関係から、最小サイズには限界があります。
ちなみに、もりや産業がご用意するUNダンボール箱はすべて性能試験に合格しています。サイズも5種類をご用意していますので、後述の緩衝材を考慮してご選択頂ければと思います。
UNダンボール箱はダンボールを2重、または3重に重ねたいわゆる重量物用ダンボール構造で、約10㎜以上の厚みがあります。強化ダンボールは古紙含有率が5%未満と低く、耐水性ロングファイバー・ライナを使用していますから、通常のダンボールと比較してかなり高い強度を有しています。
もりや産業の扱うUNダンボール箱は高強度でありながら、高い設計力で軽量化も果たしています。このことは、スピードの要求される航空輸送においてアドバンテージとなり、航空輸送時の運賃としても有利です。
UNダンボール箱は以下3つの等級に分類されます。
もりや産業UNダンボール箱の側面表示では、そのすべてに対応していることがご覧頂けます。つまり、あらゆる危険性の国際輸送に対応でき、UN規格を取得していない危険物の容器であっても、この箱の中に直接入れて送ることが可能になります。
危険物をダンボールで国際輸送する際は以下のものが必要です。
UNダンボール箱 フィラメントテープ 中袋 緩衝材(バーミキュライト:適量)
1)箱を組み立てる
まずは箱を組み立てます。底に貼るテープは何でも良いわけではなく、75㎜巾フィラメントテープを使用します。フィラメントテープはガラス繊維を補強材とした複合基材粘着テープで引裂耐性が高く、重い荷物でもしっかりと封をします。のり残りもありません。
2)中袋をセットします
箱を組み立てたら、中袋をセットします。中袋は大きめのポリ袋でOK。もりや産業は中袋を2重にすることをお勧めします。こうすることで、中身の危険物と緩衝材を分けることができます。
3)危険物を手前の中袋に入れる
危険物を手前の中袋に入れ、中袋の口を縛ります。手で結べばOKです。
4)緩衝材を入れる
危険物の中袋と、その外側の中袋の間に緩衝材を入れます。緩衝材はバーミキュライトを使用します。バーミキュライトは鉱石を高温焼成して膨張させた液体吸収材で、園芸用の土としても使用されています。軽量、無害、不燃性で吸湿性に優れ、たとえ中の危険物液体が漏れたとしても吸収してくれます。バーミキュライトは内容物が見えなくなるまで入れましょう。
5)中袋を閉じ、箱の封をする
バーミキュライトの中袋を閉じて、75㎜巾フィラメントテープで箱の封をして完成です。
・危険物輸送梱包箱
国連規格容器の性能試験合格品
軽量で高強度、高耐久性
リサイクル可能な環境対応製品
いかがでしたか。危険物を海外へ輸送するときには、このように専用のアイテムが必要になります。また、送りたいものが危険物に該当するのかどうか、箱ラベルの表示はどうするのか、添付する書類はどう準備すればよいのか、そもそも海外輸送の委託業者はどこを選べば良いのかなど、いろいろな疑問をお持ちかもしれません。
そんなときは、まずもりや産業までご連絡ください。ケースに応じた回答をさせていだだきます。
今回は誌面の関係から危険物梱包箱とその梱包手順について紹介しましたが、次回はUN規格について踏み込んだ解説をしたいと思いますので、続けてご覧頂ければ幸いです。