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2024.07.25
業界コラム
金属部品の保管に欠かせないのが、錆(サビ)を防ぐ防錆作業。
この作業では、防錆油を使うことが多く、とても手間がかかるため、人手不足の現場には辛い作業です。
更に折からのコロナショックで、人手不足も深刻化し、包装の手間にお困りの現場も多いと思われます。
そこで、今回は防錆作業の問題を解決、トータルコスト削減まで成功した事例をご紹介します。
自動車関連製造業のG社様では、自動車金属部品の保管に防錆油を使っていました。
防錆油による防錆作業の作業手順は以下の通りです。
塗り残しがあるとわずかな水分や塩分で、錆が発生するため、防錆油の塗布はとても手間がかかります。
更に、部品を使用する際は、防錆油を洗い落とす手間も掛かります。
人手不足の影響も相まって、この2つの工程が現場の大きな負担となり、担当者様からこの手間を無くしたいとご相談をいただきました。
この問題解決のために提案した資材は、ゼラストラミエアセル袋です。
気化性防錆剤ゼラストのフィルムをラミネートしたエアー緩衝材の袋で、この袋に部品を入れて保管することを提案しました。
気化したゼラスト成分が防錆油の代わりに金属表面に極薄い被膜を作り錆を防ぐため、防錆油の塗布が不要になり、油の洗浄作業も無くなりました。
また、気化したゼラスト成分が、これまで防錆油を塗布できなかった微細な部分まで防錆してくれるため、錆による部品の損失も減らすことができました。
この提案で、防錆油の塗布・洗浄作業を無くし、作業を2ステップに短縮できました。
ゼラストフィルムに混練されているゼラスト成分は、常温で徐々に昇華(気化)して大気中の水蒸気に溶解します。水蒸気中に溶け込んだゼラスト成分によって、金属表面にできる不均衡電位を抑え、電気化学反応を抑制、金属表面を不動態化(錆びにくい状態)にすることで、防錆性能が発揮されます。
対象物がゼラストに包装されている間は、常に防錆効果が持続します。 (屋内保管時で3年間以上)
梱包対象物をゼラスト包装から取り出すと、梱包対象物に付着したゼラスト成分は、2時間ほどで再気化します。
ゼラストラミエアセル袋の採用メリットをまとめると以下のようになります。
ご紹介した事例のように、弊社では、包装・物流にまつわる問題解決のお手伝いをしております。
防錆包装については他防錆資材を使った改善事例もございます。
また、単一の防錆資材だけで解決できない場合、他資材を組み合わせた解決策も提案しております。
錆の問題にお困りのご担当者様は、お気軽にお問合せください。