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お役立ち情報 USEFUL INFORMATION

2024.07.29

業界コラム

ホワイト物流推進のポイント 取り組み例② 女性・シニア世代の荷役作業の軽減

前回ご紹介させていただいた「ホワイト物流推進のポイント 取り組み例① ストレッチ包装の省力化」に続き、今回は「女性・シニアの荷役作業の軽減」に対する取り組み例をご紹介いたします。
まずは、ホワイト物流推進運動の内容について振り返ってみましょう。

「ホワイト物流」推進運動とは?

物流業界の人出不足問題の中で、とりわけ深刻になっているのがトラック運転者不足問題です。平成17年度を1とした場合、平成30年度の有効求人倍率は3.03、全業種平均は1.57。突出した求人があるにもかかわらず、ドライバーの数は25%程度減っています。(国交省調べ)このように物流の担い手であるトラック運転者の不足は極めて深刻で、トラック運転者がいないために物が運べない事態もしばしば発生しています。

そこで、トラック運転者不足を解消するために国土交通省・経済産業省・農林水産省が主体となって提唱し、荷主企業と物流事業者が相互協力して取り組んでいるのが「ホワイト物流」推進運動です。

この取り組みは、次の2点を目的として推進されています。

・トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化

・女性や60 代以上の運転者等も働きやすい、より「ホワイト」な労働環境の実現

新規設備や新しい取り組みの導入にはコストや慣れるまで時間がかかるといった問題が生じるかもしれません。しかし、いまここで改善に踏み切らなければ、将来的なドライバーの不足、リードタイムの遅延、配送コストの上昇といったもっと難しい問題が発生してきます。まずはひとつのアイテムの試用など、できるところから始めてみるのはいかがでしょうか。今回はホワイト物流推進運動の目的の②にスポットを当ててみたいと思います。

取り組み例② 女性・シニア世代の荷役作業の軽減

物流業界で女性やシニア世代が長期間働けない理由として『荷役(貨物の積み下ろし)作業』があります。現場での荷役作業が手作業になると、体力の劣る女性やシニア世代にとっては、大きな負担となり、離職率の上昇につながります。また、荷役作業は物流業界のマイナスイメージも強く、若い人たちの敬遠要素にもなっています。

したがって、女性やシニア世代の離職を防ぐだけでなく、これからの若い人材確保のためにも荷役作業の軽減は必要不可欠です。例えば、パレタイジングロボットや無人搬送車(AGV)の導入によりスタッフが荷役作業を行わないようにしたり、アシストスーツなどを導入し、荷役作業の身体的負担を軽減させるなどの対策が有効です。

荷役補助スーツの種類としくみについて

アシストスーツ、パワードスーツ、サポーター、アシスターなどいろいろな呼称がありますがどれも作業の身体的負担を軽減するホワイト物流においてポイントとなる用具です。サポートの方法としてはモータやエアーの力を使用して積極的にサポートするパワーアシスト系と、力や重量を受け止める、緩和する補助的なサポート系があり、もりや産業ではそのどちらも取り扱っています。

パワーアシスト系用具

マッスルスーツは人工筋肉繊維とエアー(空気圧)を使用したパワーアシストスーツです。モータの動力に比べエアーは優しく、安心感があり、重いバッテリーを背負う必要もありません。用具自身の質量も抑えることができ、本体重量は3.8kgと驚きの軽さを実現しています。これなら、女性や高齢者のかたでも無理なく装備が可能です。装備方法はリュックのように背負って前ベルトを留めるだけで、レクチャーも習熟期間も必要ありません。バッテリー切れを気にすることもなく、エアー圧が少なくなれば付属のポンプで空気を送り込むだけで動作再開します。

パワーアシストスーツの腰痛対策効果はとても大きいのですが、価格も15~20万円かかります。次の項目で紹介する補助金の活用もご検討ください。

サポート系用具

網状ネットやベルトの伸縮物性を利用して、持ち上げ、荷物を持ちながらの歩行、ひねり動作をサポートする用具です。体にフィットする装備で、かさばらず動作の邪魔になりません。重量も軽く、長時間身につけても気になりませんし動力も不要です。そのため、立ち仕事とフォークリフトなど座る姿勢のどちらも行う作業に向いています。コストも比較的安く、ホワイト物流推進のため、作業者ごとに貸与する企業も増えています。

導入には補助金の活用も

荷役補助スーツには、経産省の「ものづくり補助金」や厚労省の「エイジフレンドリー補助金」を利用することが可能です。(「ホワイト物流」直接の補助金は2021年12月現在ありません)

エイジフレンドリー補助金の主な条件

高年齢労働者(満60歳以上)を常時1名以上雇用

運輸業、製造業、建設業、農業の場合資本金3億円以下、常時雇用300人以下

労働保険および社会保険に加入していること

また、工場や事業所のある自治体などでも独自の補助金を設定している場合があります。各自治体の補助金利用に関しては、自治体ホームページで確認をすることがいちばん早く、正確な情報が得られます。

また、AGV(無人搬送台車)については、令和3年度で「AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業費補助金」の公募が数回行われました。次年度以降も公募される可能性が高いと考えられます。(※令和4年度補助金はまだ発表されておりません。あしからずご了解ください)

ケージや荷台の下にもぐり込み、天板を上昇させて荷物を浮かせ、プログラムにより目的の場所まで自動で移送するAGVは、構内拠点間を大量に移送する作業で絶大な効果を発揮します。自動ルート検知タイプ、ルートティーチングタイプ、磁気テープタイプなど各種ありますが、もりや産業の経験では操作やルートが視覚的にわかりやすい磁気テープタイプが多く導入されています。高額なAGVですが、補助金を活用して導入を行い一気にホワイト物流を推進することも可能です。

もりや産業ではこれまでの経験・ノウハウで補助金申請のサポートをすることが可能です。ホワイト物流の推進期間は2023年4月までと設定されていますので、この機会にホワイト化を進め、人材不足からの悩み解消、働き方改革を進めましょう。

働く人に支持される職場、企業イメージアップにも

ホワイト物流推進運動に参加することは働く人からの視点で見た場合、「安心・気遣いの会社」と映るのではないでしょうか。SNSやインターネットによる情報交換が活発に行われる現代、企業は働く人の目線で労働環境づくりに取り組み、効率と生産性を確保しながらも働く人にやさしいしくみ作りを実行することで、より多くの人材が集まります。そして、その環境作りの第一線で活躍するアイテムが今回ご紹介の各種用具です。

少子化は今後も進みます。運送・物流業界への若手参入はあまり多く見込めませんが、代わって女性・高齢者・外国人の起用が進むと考えられます。この方たちが働きやすい環境を整備することで、「つらい・長時間労働」というネガティブイメージを払拭し、企業のイメージアップにもつながり、ひいては若手の参入を促す好循環につながっていきます。

ご紹介のアイテムは、全てが働く人に好意的に受け入れられるものを選びました。しかも、アシスト・サポート用品は導入すればその場で「あ、楽だ。」と実感していただけます。さらに作業効率のUP、荷待ち時間の削減、事故・トラブルの減少と導入コスト以上の効果が期待できます。

ホワイト物流化は一朝一夕ではならない大きなテーマですが、まずは腰痛対策などできるところから、すこしずつ進めていきましょう。現状維持はゆるやかな後退につながりかねません。

女性やシニア世代の荷役作業の軽減に有効な商品をご紹介いたします。

商品紹介

・イノフィス マッスルスーツEVERY

働く現場での腰への負荷軽減から、日常のちょっとした力仕事のサポートまで。 マッスルスーツEvery(エブリィ)は、老若男女、すべての人の健やかなライフスタイルを実現するために生まれたアシストスーツです。

※マッスルスーツEvery はイノフィス社の製品です。

・腰サポーター+腰アシスター

伸縮するパワーネットの力で腰・膝を安定させ、ヒザの上下運動や中腰姿勢をサポートします。

軽くて座っても邪魔にならないため、広い範囲での作業やリフト作業との併用に向いています。

・バリアスツイスト

バリアスツイストは骨盤をガッチリ固定し、骨盤の歪みを抑え、姿勢を正すことで、腰の負担を軽減するベルトです。

座ったままでも使えるスリムタイプなので、座り仕事からくる腰痛予防に最適です。

低床ガイドレスAGV XF-100

「脱・運搬」で、働き方改革。ガイドレスでの自律走行モードに加え、磁気テープを検知して走行するモードも 搭載した「ハイブリッド型」のAGV です。

まとめ

女性やシニア世代の負担を軽減し「ホワイト物流」を推進していくための重要なポイントは” 身体的負担”を取り除くことです。

そのためには「女性・シニア世代が楽しく、長く働きたい職場」を目指し、身体的負担のかからない現場改善を進める必要があります。

もりや産業株式会社では、物流現場の負担軽減に役立つ資材・設備を幅広く取り扱っております。

今まで当たり前に使っていたパレット・ストレッチフィルム・バンド・テープの見直しや手作業で行っていた行程の機械化など、当社が長年蓄積した経験とノウハウで貴社に有効な提案もさせていただきます。ホワイト物流推進にご興味のある企業ご担当者様はお問合せフォームからお気軽にご連絡ください。