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2024.07.29
導入事例
株式会社トワード様は佐賀県に本社を構え、九州と神奈川に物流拠点を置き、食品の多温度帯配送サービスを展開されている物流企業です。そのサービスの更なる品質向上と安心・安全な食の流通貢献のため、2021年にオリコン・保冷剤洗浄のためのコンテナ洗浄乾燥機を導入されました。
今回は、株式会社トワード ご担当者様に、コンテナ洗浄乾燥機を導入した経緯やその効果をお伺いしました。
▼株式会社トワード
『衛生面と作業性が求められる食品物流の容器・保冷剤の洗浄』
トワード様では、これまで、バッチ式洗浄機を使用しておられました。
以前の洗浄機では、1回に洗浄できるオリコン数はカゴ車2台分(72個)。洗浄機にカゴ車を2台並べて、洗剤の入った洗浄水を噴射するため、洗浄できるのは外側のみで、内側の汚れが落ちないといった洗いムラが発生していました。
保冷剤の手洗い作業や宛名ラベルの除去作業なども加わり、洗浄作業には常に2~3人のスタッフが付きっきりになっていたので、非常に手間とコストが掛かっていました。更に、洗浄できるコンテナのサイズに制限があったり、洗浄時の振動がひどいなどの諸問題もありました。
これからの食品物流の現場としては、清潔・衛生を求めるお客様の声に応えつつ、作業効率を改善していくという非常に難しい対応が求められていました。
『限られたスペースの中、スタッフ1人で作業ができる様にしたい』
一気通貫流通が強味のトワード様では、食品物流の品質と信頼を高めるため、洗浄を外部委託せず全てを自社で行い、納得のいく洗浄をしたいという強い想いがあり、その想いを実現するため、以下の様なご要望を出されました。
・こびりついた頑固な汚れ、油汚れもしっかり洗い落としたい
・洗浄力を高めるためお湯を使えるようにしたい
・有効なスペースで運用したいので、洗浄機のサイズを出来るだけ小さくしたい
・保冷剤やクレートタイプも洗浄したい
・作業効率を高めるため作業は1人で完結させたい
特に、これまで2~3人で行っていた作業を1人に減らすことで、作業効率を改善したいと強いご要望がございました。そこで検討されたのが自社に使い勝手の良いオリジナルコンテナ洗浄機(オーダーメイド)です。
『省スペース・シンプル設計・高い洗浄力と充実したサポート』
そこで、様々な洗浄機を調べましたが、サイズが大きい、作業員がどうしても2人必要、洗浄はオリコンのみなど要件を満たす洗浄機はなかなか見つかりませんでした。
そこで、異業種交流会「九州深友会」の情報網から客の要望に合わせて洗浄機を独自設計してくれるメーカーの存在を知りました。そのメーカーが「株式会社キョウドウ」様です。
メーカー担当者と協議した内容は以下になります。
・リターンコンベアで投入口に戻ってくるタイプで1人で作業可能
・洗浄機のサイズ変更などのオーダーメイド設計
・容器内側など洗浄を強化したい部分への洗浄ノズルの配置
・取り扱い荷のアイテム増等、将来を見据えた高温洗浄できる後付けボイラーと接続可能な設計
特に同メーカーの既成品をベースにリターンコンベア設置による1人での作業設計、オリコン・クレートタイプ・保冷剤洗浄を可能にする独自カスタマイズ、様々な汚れに対応可能な洗浄機能、将来のコスト削減を見据えたボイラー設置提案など、全ての協議内容をクリアし、特に安心できたため、即決されました。
採用機種はKyodo社人気の「ストレート式洗浄乾燥機」のカスタマイズ型
この洗浄機は、洗浄後に容器の水を飛ばしてくれるので、機械周りをドライに保つことが出来ます。
ウェットな環境を嫌う現場、洗浄後すぐに容器を使いたい現場、拭き作業に困っている現場、衛生面を強化したい現場などで、この乾燥機能が活躍しています。
この洗浄機をベースにトワード様オリジナルの洗浄乾燥機を開発することになりました。
▼株式会社キョウドウ
また、トワード様では、独自に運用面で様々な工夫を施しております。ひたむきに物流品質向上に向き合う姿勢が見て取れます。
節水のため地下水を活用することにされました。上水に切り替えることができるため、非常時にも対応可能な仕組みとなっています。
『泡の出ない環境にやさしい魔法の洗浄剤』
ミラクルクリーナーZ
容器・保冷剤の洗浄には福岡県の洗浄商品メーカー「株式会社アルコ」様の「ミラクルクリーナーZ」を使用されました。
化学物質不使用で泡のでない洗剤なので、近隣環境への配慮ができます。更に界面活性剤を含まず泡立ちのしない洗剤なので、すすぎ水の節水も可能。環境にやさしいだけでなく、この洗剤だけで除菌も可能なため、洗浄剤のコスト削減にも繋がりました。
▼株式会社アルコ
洗浄機に通す前段階でガンコな汚れや使用済みステッカーが剥がれやすい溶剤に漬け込む行程を準備。オリコンは60枚まで投入可能、その他部材も対応可能。
水中ポンプで水流を起こすことで漬け込み時間の短縮も計画中。
新コンテナ洗浄乾燥機は目に見えた効果を発揮しました。
・1時間で、約300枚程度の洗浄が可能になった
・汚れが酷い物は洗浄スピードを変え、徹底的に洗えるようになった
・コンテナだけでなくクレートや保冷剤、投入口に入るサイズの物は何でも洗えるようになった
・1人で作業が可能になり、他の作業に手を回せるようになった
・前の機械に比べて、音が静かになった
・現場/管理/メンテナンスといった洗浄プロジェクトを立ち上げ、会社全体の衛生管理体制を強化できた
当初の要件をクリアするだけでなく、メーカーからの様々な改善提案により、衛生体制の強化と効率化が実現できたことで、今後は洗浄プロジェクトの強化に注力できるとのことで、今後の運用による成果が出ることを楽しみにされておられました。