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2024.05.07

業界コラム

物流業界の高齢化・人手不足が深刻化。その木枠、紙にしませんか!?

 物流倉庫の人手不足が深刻です。以下のグラフ※は人手不足が顕著と言われる物流、医療、建設業での人手不足割合の推移を示したものですが、2024年1月の最新データでは物流業の人手不足がトップです。時間外労働の上限規制を原因とする2024年問題の影響は深刻で、実に7割を超える物流業が人手不足となっています。

※出典:帝国データバンク社「TDB BusinessView」人手不足に対する企業の動向調査(2024年1月)より

 物流業といってもいろいろな職種がありますが、その中でも物流・倉庫部門に注目したデータ※を見てみましょう。

 物流・倉庫部門の人手不足状況において「不足している」回答をまとめると65%、影響の有無については「影響がある」合計が57%、「今後懸念がある」までを含めると、実に96%の企業が人手不足の影響を感じています。

※出典:富士電機 物流・倉庫部門における人手不足の実態調査 (2021年8月)

 また、フリーアンサーの回答を見ると以下のような回答が見られました。お心当たりのあるかたも多いのではないでしょうか。

 さて、今回提案したいのは木枠梱包の紙製化です。木枠梱包はここに掲載された回答にある業務の代表とも言えるでしょう。アナログで属人化していた梱包作業を、ここでいっそのこと、見直すのはいかがでしょうか。

木枠梱包の問題点はどこにある?

 これまで重量物を中心とした、多くの輸送シーンで使われてきた木枠梱包ですが、近年は問題点も顕在化してきました。その問題点を以下に記します。

・重く、女性や高齢者にはつらい。
・職人の感と経験で製作されることが多く、品質に個人差がある
・海外向輸送の場合、燻蒸処理が必要になる
・熟練職人の高齢化および人手不足

 あらためて考えてみると、このようにいろいろな問題点があります。ネット通販の隆盛により、配送量は目に見えて増え、エアコンなど比較的重量のある配送物も増加しています。

 今は何とかなっていても、数年後、10年後は大丈夫でしょうか。何とかなっている今のうちに、対策に乗り出すのが良策かもしれません。それでは、どのように解決するか。そのヒントを示していきましょう。

女性、高齢者、外国人でもできるように

 少子高齢化が進むこの時代、女性や高齢者、外国人の人材活用もしなければ人手が回らなくなっていくでしょう。その時にネックとなるのが重さ、コミュニケーションです。ここから導かれる木枠梱包改善の方向は「軽い素材」、聞かなくてもわかる「法則性のある梱包」になります。

脱技能による、梱包品質バラツキの解消

 「熟練の技」に頼ると、その技能を持つ人が離職した時、途端に困ります。そのような状況にならないように、規格品を用意し、梱包方法をルール化しておくと効果的です。製造メーカー様のように梱包製品が決まっていて、出荷数が多い場合は専用の梱包設計を行い、梱包材を取り揃えておくと効果抜群です。

標準化を進め、悩む時間を「0」ゼロに

 どうしようか・・・と悩んでいる時間、生産性はゼロになります。逆に悩む時間がなければ業務はサクサクと進むでしょう。あらかじめ梱包設計を突き詰めておき、考えられた梱包材を使って悩みなく梱包を進めれば効率も上がり、2024年問題へのひとつの対策にもなります。

 いかがですか。梱包の脱技能についての必要性が伝わりましたでしょうか。「それでも重量物がなぁ・・・」という声も聞こえてきそうですが、実はダンボールの耐久性はかなり向上しています。

 さらに、紙器材にこだわらず、もりや産業では樹脂板やリユース用途の金属ベース、大型シュリンクフィルムなど、製品にぴったりのアイテムで梱包をご提案するTPS(トータル・パッケージ・ソリューション)をご用意しています。それでは、TPSでどのように業務改善がされたかをご紹介しましょう。

TPS梱包の採用で日々の業務が大幅にカイゼン!

大型ロール状製品TPS梱包で効率化と輸送品質を同時達成

 1例目は高機能紙のロール品を平積みしているため、段積みができずに保管場所にお困りで、輸送の際も俵積みのため1パレットに6本程しか積載できない。
また、製品をそのまま積載しているため、傷が付くので困っている、というお悩みです。

 TPSではロール2本をダンボール製の箱に収納する方法をご提案。段積みが可能になり、保管効率は1.5倍にアップ、輸送効率も同様に向上しました。ダンボール製の仕切りを入れることで、製品が傷つくこともなくなりました。

木製パレットから紙製への転換で効率もSDGs性も向上

 もともと、木製パレットに釘打ちをして製品輸送をされていましたが、重くて作業性が悪く、釘打ちの時間もかかる、木製パレットが産業廃棄物になる、などの問題がありました。

 TPSでは、国内・海外へワンウェイ用途のため、オール紙製段ボールでの梱包をご提案。スリーブ仕様で2段積み可能にしました。製品機種共通の車輪固定底パットを開発し、釘打ちを廃止。作業効率がアップし、たわみ・ねじれ・突き刺しにも強く、車輪の固定作業も簡略化を達成。約50%の軽量化、作業効率50%アップ、材料コストも13%ダウンしました。

木枠梱包の開梱作業負担を軽減

 エレベーター部品の木枠梱包輸出に伴い、現地での開梱作業が負担となっていました。釘や固定ボルトをなくして開梱作業の負担を軽減したい、というご要望です。

 このケースも、木枠から紙製梱包に変更して簡素化を実現。仕切りの形を工夫することで、色々な部品が対応可能になりました。輸送コストも削減でき、開梱作業の手間が減り、現地作業員のかたにはたいへん喜ばれています。

商品紹介

TPS(トータル・パッケージ・ソリュ
ーション)-紙製包装設計品-

・軽量化に貢献。輸送エネルギーと木材の使用を削減
・女性・高齢者でも取扱いが容易で、安全・安心
・ダンボールの多用でリサイクル性が向上
廃棄物の発生を大幅に削減
・あらかじめ設計された梱包で時短・業務効率化を推進

まとめ

 物流倉庫の人手不足は当面続きそうですます。それならば、少ない人数で同じ結果が得られて、時短と梱包品質の向上、SDGsもできてしまう、木枠梱包から紙器材への転換をぜひご検討ください。経験とノウハウが豊富なもりや産業が、TPS(トータル・パッケージ・ソリューション)でベストな解決策をご提案します!