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2024.10.28
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商品や荷物を運んだり、保管したりする際に台として使うのがパレットです。物流業界で使われることから、物流パレットともいわれます。物流は陸上輸送や海上輸送とさまざまありますが、パレットは輸送方法に関係なく、荷物を効率良く運ぶために必要です。
商品や荷物をパレットに乗せたら、落下や損傷を防ぐためにラップで梱包しなければなりません。ラップの巻き方にも違いがあり、梱包する荷物に合わせて巻き方を変えるのが基本です。では、パレットのラップ巻きにはどういった方法があるのでしょうか。
この記事では、パレットでラップ巻きする際のやり方や、ラップ巻きが楽になる方法を解説します。
物流パレットは、平板状の台で、人力あるいはフォークリフトといった機械を用いて荷物を効率的に運べるようにするアイテムです。荷物の運搬以外に、物流拠点や倉庫で荷物を保管する際にも使われます。
パレットを利活用することで、物流作業の負荷を減らしたり作業にかかる時間を短縮したりできます。物流業界において効率と利便性が高い物流パレットは、荷物の重量や大きさ、用途によってパレットの種類や素材を使い分けることが可能です。
物流パレットの規格はさまざまですが、一般的なサイズは1,100mm×1,100mmとされています。
パレットの種類と特徴は以下の通りです。
・平パレット
表面が平らで、フォークリフトの差込口があります。
・ボックスパレット
固定式の他に、折りたたみ式や取り外し式のタイプがあります。
・シートパレット
プッシュプル装置が付いたフォークリフトで使われます。
・ロールボックスパレット
ボックスパレットに車輪が付いたタイプです。
・ポストパレット
支柱が固定式、折りたたみ式、取り外し式のパレットです。
・タンクパレット
液体状のものに使用されます。
・サイロパレット
紛粒体のものに使用されます。
荷物の重量や大きさ、形状に合わせてパレットの素材を選びますが、落下や損傷を防ぐためにラップを巻いて梱包するのは変わりません。物流パレットで使われる主な素材は以下になります。
木製パレット
プラスチック製パレット
紙製パレット
スチール製パレット
アルミ製パレット
パレットに積んだ搬送用の荷物を梱包する、透明なフィルムを「ストレッチフィルム」といいます。積んだ荷物にストレッチフィルムを巻くのは、荷崩れや汚損を防ぐためです。
このストレッチフィルムを手動で梱包する作業を、現場ではラップ巻きと呼びます。
また、ラップ巻きは基本的に手作業で行うため、梱包の際は作業者に手間や負担がかかります。
ここでは、パレットでの基本的なラップ巻きについてやり方を解説します。
物流パレットでラップを巻く際のポイントは、ラップを強く引っ張りすぎないことと、荷物の下から上に巻いていくことです。また、巻いている最中でのラップの摩擦を軽減するために、作業前に軍手をしておくと良いでしょう。
パレットに積んだ荷物をラップ巻きする手順は以下の通りです。巻いたラップがたるまないように、隙間なく荷物をパレットに積めているかを作業前に確認しましょう。
1.ラップの先端を荷物の下の方に固定する
最初に、巻き始めのラップの先端を細くねじり玉結びにして、結んだ部分の少し後ろを端に積んでいる荷物の角に挟み固定しましょう。ラップの先端を丸めて、荷物同士の間に挟み込む方法もあります。
2.下から上に向かって巻いていく
ラップの先端を下の方に固定したら、次は下から上に巻いていきましょう。上から巻いてしまうと、ラップ同士の境目から雨やゴミが入りやすくなってしまうため、基本は下から巻きます。ラップを密着させて巻くには、荷物の角で引っ張ると強く巻けるためおすすめです。
3.少しずつラップを重ねながら巻く
ラップを少しずつ重ねて巻くようにすると、強度が上がり荷崩れしにくくなります。中段部分から上段部分にかけては、何度かラップをひねって巻くとたるみません。
運搬する荷物にもよりますが、最低2周は巻いておきましょう。1週目は固定した先端部分が外れないように強く引っ張らず、2周目から強めに引っ張って巻きます。荷物の1番上は2周巻いて、下部分は3周巻くと強度が上がり安心です。
4.巻き終わったらラップを切る
外周を巻き終わったら、手でちぎるか荷物の角を利用してラップを切りましょう。切ったラップの端部分は、手で押して巻いてあるラップに密着させます。巻きつけたラップの全体を手で押し、荷物を整えたらパレットのラップ巻きは完了です。
基本的なラップ巻きの手順は、下から上に向かって少しずつ重ねながら2周程度巻いていく流れですが、巻いている際に気を付けたい事例が3つあります。
・巻き方が緩い
ラップの巻き方が弱いと緩くなってしまい、しっかりと梱包できません。ラップが緩まると、荷崩れや落下の原因にもなります。
・巻き方が強い
ラップはしっかりと巻かなければなりませんが、かなり強く巻きすぎてしまうと、梱包した商品をきつく締めすぎてしまい破損する恐れがあります。
・斜めに巻く
ラップ巻きは、下から上へ平行に巻いていくのが基本です。巻いたラップが斜めだと、荷物に巻かれていない部分ができてしまい、商品が落下するリスクが上がり荷崩れも招きやすくなります。
パレットのラップ巻きには、上記で解説した基本の巻き方以外に、積み上げた荷物の上面である天面を巻く方法もあります。
ここでは、下から上まで外周を巻き終わった時点での、天面をラップ巻きする方法の1例を、解説します。
積んだ荷物全体を見て、4つある角をラップで巻いてカバーしていきます。まずは、外周を巻き終わったところからラップを少し下げて、対角線の角に向かって巻いていきましょう。
そこから、さらに対角線の角へラップを巻きます。続けて、外周を4分の1周したら次の角を巻き、最後に残った角をカバーしましょう。
角を巻く際にしっかりラップを伸ばさないと、途中で緩くなってしまうため注意が必要です。
角を4つとも巻いたら、天面でラップが巻かれていない部分をカバーしましょう。最後に巻き終わった角から外周を4分の1周し、天面の中央部分を角から反対側の角へ巻きます。その後は、再び元の角へ巻き直しましょう。
天面の中央部分を覆ったら、荷物の外周を巻いてラップを密着させます。全体を手で押さえて整えたら完了です。
パレットのラップ巻きは手作業でもできますが、巻いていると摩擦で手が痛くなる場合があります。また、パレットの周りを歩いてラップ巻きをする作業も作業者の負担になるうえ、腰痛や夏場には熱中症のリスクを考えなければなりません。
ここでは、ラップ巻きの負担を軽減する方法やおすすめのアイテムを紹介します。
パレットのラップ巻きで作業者の負担を軽減させるには、以下の方法を試してみるのがおすすめです。
・ストレッチフィルムホルダーを使う
ラップ巻きの摩擦で手が痛くなるのを抑えるには、ストレッチフィルムホルダーを利用しましょう。ラップの筒の両側にストレッチフィルムホルダーを付けることで、手を傷めず楽にラップ巻きができます。
・ラップ巻きの機械を利用する
自動でラップ巻きを行ってくれる専用の機械(包装機)を使用すれば、作業者の負担を軽減でき、けがや腰痛の予防になります。また、包装機であれば手動でやるよりも均一にラップを巻くことが可能です。
・軍手をする
ストレッチフィルムホルダーや機械を使わない場合は、巻いている時に発生する手の摩擦を抑えるために軍手をして作業しましょう。
パレットのラップ巻きは、包装機を使用すれば自動で行えるため作業者に大きな負担がかかりません。包装機の導入には費用がかかりますが、現場の負担を改善、作業に必要な人手の不足にも対応できるでしょう。
以下では、おすすめの包装機を5つ紹介します。
「ストレッチ包装機」
パレットに積み上げた荷物の輸送や保管に適した包装機です。半自動タイプから移動式タイプまで、以下のような多くの種類がそろっています。
1.全自動ストレッチ包装機
「LT202」(ターンテーブル方式)
2.半自動ストレッチ包装機
「TS85」(多機能プレストレッチ)
「TS75」(スタンダードプレストレッチ)
「TS55」(多機能パワーストレッチ)
3.移動式ストレッチ包装機
「TS-D40」(簡易プレストレッチ)
4.汎用ストレッチ包装機
「ES40」
国内製造の包装機で、ハンドパレットトラックを使った現場でのラップ巻き作業に向いています。低床タイプかつ、テーブルの回転スピード変更やスロープの3方向取り付けが可能です。ターンテーブルはフットスイッチを踏んで回転する仕組みのため、誰にでも扱いやすい包装機といえます。
ターンテーブル式の包装機で、ハンドリフトやフォークリフトを使用しての作業が可能です。スロープが小型のため、機械を置いてもスペースを確保できます。薄型のターンテーブルは厚さが30mmしかなく、フォークリフトでの積み込みも簡単です。
アメリカやヨーロッパでシェアが高いROBOPAC社製の自走式包装機です。最新技術により、安定した自動梱包ができます。安全システムも万全で、自動ブレーキシステムを搭載しておりトラブル発生時の緊急停止、事故の予防が可能です。
インライン型の完全自動包装機で、比較的整っている荷物よりも不安定な荷物をラップ巻きするのに向いています。巻きつけの設定は、パネルから調整が可能です。
パレットに積み上げた荷物は、荷崩れや汚損を防ぐためにストレッチフィルムを巻くのが基本です。これを現場ではラップ巻きと呼びますが、手動で行うと作業者に負担がかかってしまいます。
ラップ巻きを短時間かつ楽に行うには、ストレッチフィルムホルダーを使ったり、包装機を利用したりといった方法がおすすめです。費用はかかりますが、梱包作業に人手が足りない場合は包装機の導入を検討してみると良いでしょう。