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2024.11.05

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ストレッチ包装機とは|様々なバリエーションからぴったりの1台を!

 ストレッチ包装機とはストレッチ(伸縮性)フィルムをパレット上の荷物に巻き付ける包装機です。ストレッチフィルムは主にポリエチレン製で、伸縮性の他に自己粘着性があり、摩擦係数が大きく、巻き重ねるだけでくっつく性質があるので、梱包材としてとても重宝されています。

 現場ではよく「ラップ」とも呼ばれますが、厳密にはラップとはちょっと違います。ストレッチフィルムは気体を通しますが、食品用ラップは気体を通しません。食品用ラップは材質もビニリデンで、基本的に別物です。ちなみにラップのほうが少しコストは高めです。

 脱線しました・・・ストレッチフィルムを積み上げた荷物に巻き、固めることで荷崩れや荷物紛失などを大幅に減らすことができます。一方、フィルム包装を人手でやろうと思うと、人が荷物の回りをぐるぐると回ることになります。やったことのあるかたはすぐにおわかりになると思いますが、目が回ります。

 ひとつ、ふたつのパレットならできても、半日、いや数時間でも続けることはたいへん苦しいものです。この作業ばかりをすると、離職にもつながりかねません。ここは高い優先度で自動化・機械化したいところです。

 と、いうわけで今回のテーマは「ストレッチ包装機」です。この機械、たぶんみなさまが思うよりも多くのバリエーションがあります。自動の範囲も半自動から全自動まであり、高さ、巻き方のプログラム、そしてフィルムの材質を組み合わせれば作業現場にぴったりの1台ができあがります。

 荷崩れによる事故は重大な結果につながります。また、出荷準備がされて最終製品となっている場合が多いため、金銭的な損失も大きく、出荷品をゼロから準備し直すとなると時間的な影響も少なくありません。

 安全・安心はもとより、昨今話題の働き方改革、時短、そして前回ご案内したスマート物流、パレット納品にも直結しますのでぜひご導入や機種変更の参考にしてください。それでは、まずはストレッチフィルム包装機の基本的な構造からご紹介しましょう。

ストレッチ包装機の基本的な構造

 ストレッチ包装機は、一般的にパレットを載せて回すターンテーブルとフィルムを巻き付けるマスト(タワー)で構成されています。ターンテーブルの傍らにマストが立ち、ターンテーブルを回しながら、フィルムを繰り出すユニットがマストを上下して荷物にフィルムを巻き付けていきます。フィルムを持ったアームが荷物のまわりを回る構造の機械もありますが、こちらはどちらかというとめずらしい構造になります。

 また、ターンテーブル構造のストレッチ包装機も、マストがなく、人がフィルムを持つ手動タイプのほか、フィルムを装填するマストはあっても人がパレットや巻き始めのセットを行う半自動タイプのもの、インラインで全く人手を介さずにワークセットからストレッチ包装、後工程への送出が行える全自動タイプのものがあります。

 常時、荷物がロボットなどでパレタイジング(積み付け)され、ライン上を流れてくるのであれば全自動タイプが効果的ですし、ストレッチ包装を行う時間や荷物形状がまちまちな場合には、あえて全自動タイプのものよりも半自動タイプのほうが使い勝手がよいと思われます。

 導入コストを抑えたい、テスト的に導入してみたい、徐々にグレードアップしていきたい場合には、あとからマストを追加できる手動タイプを導入してみるのもよいでしょう。それでは、まず自動タイプのストレッチ包装機を紹介しましょう。

自動(全自動・半自動)タイプのストレッチ包装機

 ターンテーブルとマストを持つストレッチ包装機は自動タイプになりますが、その中でもフィルムの充填・交換以外に、人手を全く介入しないものが全自動タイプになります。全自動タイプはインラインで使用され、多くは前工程としてロボットによるパレタイジングが行われ、荷物はコンベアでやってきます。

 ターンテーブルもインライン対応形状となっていて、荷物を載せたパレットは自動で引き込まれ、フィルムの巻き付け、カットが行われて、後工程へも自動で送られます。巻きかたはあらかじめプログラムされていて、ねらい通りの巻きかたで一定品質が保たれます。

 このように、人が介在しない全自動タイプですが、実力を十二分に発揮するためには、一定形状の箱が大量・高速に流れてくる生産環境であることや、前工程、後工程との連携が必要になります。量産メーカーのような環境で最大の効果を発揮するでしょう。

 とはいえ、なかなかそこまでの条件が揃わない現場も多くあります。ある程度の量はあるが、梱包するタイミングは不定期、ワーク形状や量も不定期なら、半自動タイプがおすすめです。ストレッチ包装機でいちばんシェアが多いのも半自動タイプです。

 半自動タイプには数多くのバリエーションがありますが、共通するのはターンテーブルへのパレット設置を人手で行うという点です。ストレッチフィルム包装後のパレット移動もフォークリフトやハンドリフターで行います。半自動タイプは、「インライン使用ではない自動ストレッチ包装機」とも言えます。

手動タイプのストレッチ包装機

 手動タイプのストレッチ包装機は、ストレッチフィルムのロールは人が手で持ち、ターンテーブルの回転だけが自動化された包装機です。荷積みされたパレットをターンテーブルに載せ、ストレッチフィルムの端を荷物に挟み、フットスイッチを入れ、回転する荷物にあわせて人がフィルムのロールを上下させながら巻き付けていきます。

 最もシンプルな機械化ですが、荷物を回りながらフィルムを巻く方法に比べて効果は絶大で、格段に効率的かつラクになります。また、最もシンプルなフィルム包装の機械化から始めることで、あと何があればもっと便利になるかがよくわかります。

 それはたとえば、フィルムロールも機械に持たせたい、フィルムの上下も自動化・規格化すればもっと均一な包装品質になる・・・などのステップアップです。もっとも、フィルムを機械に持たせた時点で半自動機にカテゴライズされます。

 このように、あとからフィルムを持たせる機構を追加できる機種も存在します。とりあえず1台導入してみる、少しずつグレードアップしながら確かめたい場合は、手動機から始めるのもよいでしょう。

自動ストレッチ包装機の特徴・仕組み

これまで紹介したように、自動ストレッチ包装機の基本はターンテーブルとマスト(フィルムを擁する支柱)を備えていることですが、自動タイプにもいろいろな分類があります。そちらを項目ごとに紹介しますので、選択の参考にしてください。

全自動か半自動か?

全自動は人手を介さない、フィルムの補充以外は無人で包装ができるストレッチ包装機で、もはやラインの一部です。一方、半自動はフォークリフトやリフターでパレット積みの荷物をターンテーブルに載せます。ターンテーブルへの自動搬入・搬出が全自動/半自動のひとつの分岐点です。

プレストレッチかパワーストレッチか

プレストレッチとは、巻き付けるフィルムを3倍ぐらいに引き延ばしてから荷物に巻き付けるタイプの包装機です。フィルムの消費量が大幅に抑えられます。やわらかい(薄い・よく伸びる)フィルムが使われ、消費量の抑制とともに、ソフトな包装が行えます。

 一方、パワーストレッチはそのようなフィルムの引き延ばしをせずに、荷物に巻き付けるタイプの包装機です。強い保持力が求められる荷物に使用され、粘着性の高いフィルムを使うことでさらに強固に包装します。

通常高さか、ハイマストか

自動ストレッチ包装機の包装可能高さは、2,000mm前後のものが多いようです。荷物を載せたパレットを2段積みで包装するなど、包装の高さが要求される場合はハイマストタイプを使用します。ハイマストは2,500mm~高いものでは3,000mmも対応可能です。

 大きくはこのように分類されます。また、メーカーにより各選択枝の組み合わせも可能です。その他にも巻き方の制御や低床ターンテーブル、プラテンや円筒形対応、さらに効率化を求めて、フォークリフトに乗ったままリモコンでフィルム包装機を操作できるタイプなど、いろいろなオプションがあります。現場の状況に合わせて選択肢をきちんと選び取っていくことで、より使いやすい装置になります。

手動ストレッチ包装機の特徴・仕組み

 手動ストレッチ包装機は、基本ターンテーブルのみのシンプル構成です。フットスイッチを踏めば回転し、放せば停止します。フィルムの端を荷物に挟み、フィルムのロールを持ちながら適当に距離を取って立ち、フットスイッチを踏んで荷物に巻き付けます。

 手動タイプの選択要素としては、ターンテーブルの直径、ターンテーブルの高さ(低いとハンドリフターなどで荷物を載せやすい)、スロープのオプション、耐重性などでしょう。

自動・手動の違いとは?

 自動と手動の違いは、ずばり、フィルムを人が持つか、機械が持つ(マストに装着する)かになります。よって、マストのあり/なしとも言えます。

 前述の手動タイプにマストをあとから加えて半自動にするタイプもありますが、基本的には、はじめに自動/手動を選択します。自動機はマストとフィルムの可動域から、手動機に比べて大きな空間を必要とします。

 また、安全柵の設置や、フォークリフト搬入の場合はさらに大きな空間が必要になります。このように、設置場所や搬入出経路も考慮して、自動/手動の選択を行います。

ストレッチ包装機の価格

 本体価格だけでお話しをすると、ターンテーブルのみの手動機で40万円前後、半自動機でシンプルなもの70~100万円、半自動機で高機能なもの100~150万円、全自動機200万円~といったところでしょうか。(いずれも実勢価格です)

 ストレッチ包装機には多くのオプションがあり、その多くはたいへん有用です。また、巻き方などで箱の角つぶれなどを防ぐこともできますから、ハードだけではなくプログラムの機能やフィルムの選択も大切です。その他、配送費・搬入費・据付費なども必要になりますので、本体価格はあくまで目安と考えていただき、見積もりをできちんと確認するほうがよいでしょう。

製品紹介

 最後に、ストレッチ包装機の代表的な自動/手動タイプの製品を紹介しましょう。

半自動タイプ TS75(スタンダード包装機)

・包装物のコーナーでフィルムが薄くなる問題を解決
・タッチスクリーン上で豊富な巻き方設定が可能
・フォークの爪が刺しやすい、停止位置機能を搭載

半自動タイプ SSP-15150-AM

・インバータ制御によるスロースタート、スローストップ
・自動サイクル(巻き方のプログラム化)搭載

全自動タイプ MAC-30LXV

・機能満載、フィルムカット機、荷物高さ検知も
・フォークリフトからのリモコン操作ができる
・巻き方プログラムも豊富
※インライン自動搬入出機能はありません

簡易包装機 パレラ1500L

・足元のフットスイッチで回転テーブルのスタートとストップが行える
・インバータ採用で、動き出しの回転をゆるやかに

手動タイプ SSP-LOW-10120:ぺらんぺRUN

・日本でいちばん低床な包装機
・高さ25mm、スロープ角度1.79°
・単相AC100V駆動

手動タイプ くるくるマック 移動式手動型

・電源不要の手動式(楽々ハンドル)
・製品までキャスターで移動して包装
・防爆仕様の対応が可能

自走式ストレッチ包装機 ROBOT S7

・対象物の周りを廻る自走タイプ
・大きな貨物にも対応
・対話型カラータッチパネルの採用
・フィルム延伸が可能

まとめ

 ストレッチ包装機は導入するだけで、時短、均一的な包装、物流効率推進、苦しい作業からの解放、人材流出の防止など、抜群の効果があります。決して損のない機械で、補助金・助成金の対象にもなります。人材不足、働き方改革が叫ばれる昨今、いままで見送っていたかたも、ぜひご導入を検討してください。

 一方、選択肢が多すぎるのも悩みのタネです。現場は千差万別、機種・オプション品も豊富なのでいろいろと迷ってしまうかもしれません。しかし、その悩みはもりや産業にご相談いただくことで「一発解決!」です。豊富な経験から、もりや産業はこまかい使い勝手までを知っています。あなたの現場のベストチョイスをずばり、お答えしますのでお気軽にお問い合わせください。