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2025.03.25
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近年、地球温暖化の影響で、夏の気温は年々上昇しており、熱中症のリスクが高まっています。特に屋外や風通しの悪い室内では、適切な冷房対策が不可欠です。冷房といえば、エアコンが一般的ですが、電気代の負担や設置工事の手間、排熱による室温上昇といった課題もあります。
そこで注目されているのが、気化式冷風機です。気化熱を利用して涼しい風を送り出す仕組みで、電力消費が少なく、排熱も発生しません。環境に優しく、省エネ効果が高いことから、工場や倉庫、オフィスなどの業務用はもちろん、家庭用としても人気が高まっています。エアコンのように冷えすぎることがなく、自然な涼しさを提供できるのも大きな特徴です。
ただし、気化式冷風機にもデメリットはあります。水の補給が必要であったり、湿度が上がりやすかったりするため、使用環境に適した製品を選ぶことが重要です。
この記事では、気化式冷風機の仕組み・効果・メリット・デメリットを詳しく解説し、最適な一台を見つけるためのポイントを紹介します。さらに、おすすめのメーカーや製品についても紹介するので、導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。
液体が気体に変わる際や、気体が液体に凝縮するときには、周囲から熱を奪います。気化式冷風機は、この性質を活用し、冷却効果を生み出します。
気化式冷風機は、いわゆる「気化熱」を利用して冷風を送り出す機械です。例えば、汗をかいたまま放置すると体が冷えて、風邪をひくことがありますが、これは汗の蒸発時に気化熱が奪われるためです。また夏場に水を道路に撒き、暑さを和らげる「打ち水」も、同じメカニズムといえます。
気化式冷風機は家庭用コンセントで使用できるうえ、設置場所を選ばないため、工場・教室・建築現場などさまざまな環境で活用されています。
外気を取り込み、それを冷やして送風するのが気化式冷風機です。背面から取り込んだ外気は、水がしみ込んだフィルターを通ります。このフィルターに風を当てて気化させることで、温かい外気が冷やされ、そのまま送風されるのが基本的な動作原理です。
大型ファンを搭載した冷風機であれば、広い空間でも隅々まで涼しくでき、その冷却能力はクーラーに匹敵します。
なお、クーラーはコンプレッサーを使ってガスを圧縮・気化させるのに対し、気化式冷風機はコンプレッサーを使用しません。室外機を設置する必要がない点も、気化式冷風機のメリットの一つです。
気化式冷風機は水を使用するため、定期的な水の補充と排出が必要です。水の交換時期に迷うこともあるかもしれませんが、衛生面を考えると、毎日の交換が理想的です。さらに、週1回程度の掃除を行うと、機械をより清潔に保てます。
水を交換せずに長期間使用すると、菌が空気中に広がるリスクや悪臭の発生率が高まるため、こまめなメンテナンスをすることが大切です。
水の交換時は、シンクに流して処理できます。特に稼働時間が長い場合は、水が不足しやすくなり、気化の仕組みが機能しなくなることもあるため、適宜水の量を確認しましょう。
また、夏の終わりに冷風機を収納する際、タンク内の水を放置するのは避けるべきです。数日なら問題ありませんが、1シーズンも水を残しておくと不衛生で、故障の原因にもつながります。
冷風機を長期間使用しないときには、水をしっかり排出しつつ、掃除をしてから保管しましょう。
気化式冷風機を長く快適に使い続けるためには、定期的な点検と清掃が欠かせません。具体的な点検方法は機種によって異なるため、付属の取扱説明書を確認するのがベストです。
ここでは、一般的な点検・掃除のポイントを4つ紹介します。
「冷房」といえば、クーラーやエアコンが一般的で、ほかにも扇風機やサーキュレーターも広く利用されています。しかし気化式冷風機は独自の仕組みによって、ほかの冷房とは異なる効果を発揮します。ここでは、ほかの冷房と比較しながら、気化式冷風機の優れたところを紹介します。
気化式冷風機の大きなメリットの一つは、暑さをしっかり和らげつつ、体を冷やしすぎないことです。
エアコンの冷風を長時間浴び続けると、体が冷えすぎて自律神経が乱れ、頭痛や倦怠感などの不調を引き起こすことがあります。どんなに暑い時期でも、冷えすぎる環境は健康に悪影響を及ぼします。
一方、気化式冷風機は外気を取り込み、その温度バランスを保ちながら送風するため、自然な涼しさを実現できます。吹き出される風はほどよく冷たく、エアコンのように体を急激に冷やしすぎることはありません。そのため、冷房による冷えが気になる学校やオフィスなどでも、特に有効活用できるでしょう。
気化式冷風機は、構造上、クーラーのような排熱が発生しないため、設置場所を選ばず、周囲の温度を上げることもありません。
特に、工場や作業場のように熱がこもりやすい環境では、クーラーの排熱が逆に室温を上げてしまい、かえって暑くなってしまうこともあります。その結果、冷房を導入できないケースも少なくありません。
しかし気化式冷風機では、排熱が発生しないため、どこに置いても作業環境を快適に保てます。特に、体を動かす仕事では熱中症対策が欠かせませんが、気化式冷風機はそうした現場にも最適な冷房機器といえるでしょう。
気化式冷風機は、背面から取り込んだ空気を冷やし、そのまま送り出す仕組みです。そのため、窓やドアを開けて換気をしても、冷房効果が損なわれることはありません。
一方、エアコンやクーラーは室内の空気を循環させて冷やすため、換気のために窓やドアを開けると冷気が逃げ、効率が落ちてしまいます。
新型コロナウイルス禍以降、換気の重要性が高まる中、気化式冷風機は「冷房しながら換気できる」という大きなメリットを持っています。ウイルスやホコリを外に逃がしつつ、快適な涼しさを保てるので、特に人が多く集まる場所での使用に適しています。
換気を行う際は、気化式冷風機の対角線上にある窓やドアを開けると、空気がスムーズに流れ、より効果的です。
夏場の冷房は必須ですが、電気代が気になる方も多いでしょう。気化式冷風機は、クーラーと比べて消費電力が少なく、電気代を抑えられるのが特徴です。
一般的に、クーラーやエアコンは1時間あたり約50円の電気代がかかりますが、気化式冷風機なら10円〜20円程度で済みます。そもそもの電力消費が少ないため、電気代の節約だけでなく、省エネ対策にも効果的です。
クーラーは壁に取り付ける必要があり、通常は業者に依頼して設置工事を行います。そのため、立ち会いの時間を確保しなければならず、設置費用もかかります。
一方、気化式冷風機は設置工事が不要で、自分で好きな場所にすぐ設置できるのが大きなメリットです。電源と水があればどこでも使えるため、部屋のレイアウトに左右されすぎる心配もありません。
さらに、キャスター付きのモデルもあり、必要な場所に簡単に移動できるため、工場や作業場など広いスペースでの使用にも便利です。
気化式冷風機は多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットもあります。導入を検討する際は、以下3つのデメリットもしっかり把握しておくことが大切です。
クーラーやエアコンは、設定した温度まで室温を下げることができますが、気化式冷風機は冷風を送ることが主な目的です。そのため、室温を自由、かつ大幅に下げる機能はありません。
また狭い部屋では湿度が上がり、思ったほど涼しさを感じられない場合があります。もし涼しさを感じられないときは、窓を開けて換気を行い、湿度を下げてみましょう。
クーラーや扇風機は電源を入れるだけで使用できるため、手軽に使えます。一方、気化式冷風機は水を使って冷却する仕組みのため、定期的に水を補充する必要があります。この手順を面倒に感じる人にとっては、不便な点かもしれません。
気化式冷風機は水を使用するため、カビが発生しやすいというデメリットがあります。カビが放置されると、空気中にカビ菌が噴出する可能性があり、健康に良くありません。カビを防ぐためには定期的な掃除が必須です。掃除を面倒に感じる人にも、気化式冷風機の使用は向いていないかもしれません。
気化式冷風機は水を使うため、部屋の湿度が上がる場合があります。特に狭い部屋では、湿度が上昇することも少なくありません。また、換気ができる環境か否かでも、湿度の影響の受けやすさが変わります。
湿度が上がることを理解し、購入時に考慮すべきポイントとして検討しておきましょう。
気化式冷風機は水を気化させて送風するため、加湿効果があります。これは気化式の加湿器と同じ原理です。湿度をあまり上げたくない環境では、逆にデメリットとなりますが、乾燥が気になる場所ではメリットに働くこともあります。
例えば、工場などは乾燥しやすく、乾燥が進むと火災のリスクが増します。気化式冷風機を使用することで、温度の低下と加湿の両方の効果を得られ、効果的に職場環境を改善することが可能です。
湿度が上昇すると、蒸し暑さを感じやすくなります。実際の気温がそれほど高くなくても、湿度の上昇により体感温度が上がります。これは、湿度が高いと汗が蒸発しづらく、体に熱がこもりやすくなるためです。
気化式冷風機を使用すると湿度が上がりやすくなるため、換気ができる場所や、乾燥しやすい場所で使用するのがおすすめです。
気化式冷風機には、大きく分けると業務用と家庭用の2種類があります。主に大きさや電力の違いがあり、家庭用気化式冷風機の中には、卓上に置いて使うコンパクトなものも存在しています。
狭い部屋や、大きい冷風機を置く場所のない部屋では家庭用の気化式冷風機を利用しましょう。反対に、大きい部屋を冷やすときや、大量の電力を使える場所では業務用の気化式冷風機を利用するのが良いでしょう。
業務用の気化式冷風機は、産業機器を扱っているメーカーで取り扱われていることが多いです。もし、特定のメーカーにこだわりがなく、新たに選びたい場合は、以下のおすすめのメーカーをチェックしてみてください。
また、一部の企業では冷風機の購入だけではなく、レンタルサービスも提供しています。冷風機を年中使用しない場合や保管場所に困っている場合は、一定期間のレンタルも検討してみると良いでしょう。
同社が扱っている気化式冷風機「RKFシリーズ」は、水の気化熱を利用したエコな冷風機です。
最大で4mから30m先まで涼風が届き、オートスイング機能付きのモデルもあります。タンクはワンタッチで外せて、簡単に洗浄可能です。さらに、約1ヶ月効果が持続する消臭パックも装備。風の吹き出し口は指が入らない網形状になっており、安全性も高いです。
オフタイマー機能も搭載されており、1時間~8時間後に自動でオフになり、電力の無駄遣いを防ぎます。
同社が扱っている気化式冷風機「ハイランシリーズ」は、水の気化熱を利用して涼しい風を送り出す冷風機です。「ハイランシリーズ」は、フロンガスを使わず水の気化熱で涼風を生み出す、環境にやさしい気化式冷風機です。工事不要ですぐに使える手軽さと、広い空間でもしっかり届く強力な送風力が特長で、エアコンに比べて大幅な電気代削減も期待できます。
日動工業株式会社は、照明機器や電子機器、産業機器を扱う企業です。業務用冷却機として、ハンディーファンからスポットクーラーまで幅広く展開しています。
その中の気化式送風機「CF-290N-OZ」は、タイマー・リモコン・キャスター付きで、学校や体育館、避難所など室内利用を想定。冷風と温風の両機能を備え、湿度を高めることでウイルス対策にも貢献します。
気化式冷風機は、気化熱を利用して効率的に空間を冷却する冷房機器です。クーラーのように室外機やコンプレッサーを必要とせず、設置が簡単で電気代も抑えられるため、工場や倉庫などの広いスペースはもちろん、家庭でも手軽に使えます。特に、冷えすぎない自然な風を送るため、エアコンが苦手な方にも適した機器といえるでしょう。
一方で、定期的な水の補充や掃除が必要であり、湿度が上がりやすい点には注意が必要です。使用環境によっては、換気を行いながら利用すると快適さを維持しやすくなります。また、業務用と家庭用のモデルがあり、それぞれの用途に適した製品を選ぶことが大切です。
各メーカーからは多機能なモデルも販売されており、加湿や空気清浄機能を備えたもの、持ち運びが便利な小型タイプ、広範囲を冷却できる大型モデルなど、さまざまな商品があります。利用する環境や目的に合わせて適切な機種を選べば、より効果的に涼しさを感じられます。正しいメンテナンスを行いながら、最適な環境で活用していきましょう。